2020年6月日銀短観予想

新型コロナで業況判断は大幅悪化するも、先行きは改善へ

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2020年06月17日

  • 山口 茜
  • 小林 俊介

サマリー

◆7月1日に公表予定の2020年6月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は▲28%pt(前回調査からの変化幅:▲20%pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は▲11%pt(同:▲19%pt)と予想する。前回調査後、新型コロナウイルスの影響が深刻化して売上が落ち込み、業況判断を悪化させたとみている。

◆足元では国内外ともに経済活動が再開され、景気は緩やかな回復基調に転じているとみられることから、業況判断DI(先行き)は製造業・非製造業ともに改善する見込みである。ただし、引き続き一定の感染拡大防止策が実施されていることや、新型コロナウイルス第2波への懸念が強いことから上昇幅は小幅に留まろう。

◆2020年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比▲2.6%と、前回調査(同▲0.4%)から下方修正されると予想する。通常、6月日銀短観の設備投資計画では、中小企業を中心に上方修正されるという統計上のクセがある。しかしながら、3月時点の計画で投資額の伸び率が極めて高かったことや、新型コロナウイルスの影響を踏まえて設備投資計画の見直しが広がると考えられるため、今回はリーマン・ショック時以来の下方修正を予想した。

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