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2020年3月日銀短観

「コロナ禍」第一弾。製造業は大幅マイナス転換、先行きは非製造業もマイナスへ

2020年04月01日

経済調査部 シニアエコノミスト 小林 俊介

サマリー

◆3月短観では、大企業製造業の業況判断DI(最近)は▲8%pt(前回差▲8%pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は8%pt(前回差▲12%pt)と、いずれもアベノミクス以前の水準へと悪化した。業況判断DI(先行き)でも、大企業製造業が▲11%pt(今回差▲3%pt)、大企業非製造業が▲1%pt(今回差▲9%pt)と、悪化が続く見込みだ。

◆2月下旬以降本格化したコロナ禍に伴う経済的打撃を主要経済統計の中では最も早く反映した統計が今回の短観である。しかし前述の結果はいずれも事前予想を上回った。回答期間が2月25日~3月31日と長く、コロナ禍に伴う打撃-とりわけ欧米向け輸出の悪化-を十分に反映できていない可能性が指摘される。

◆大企業全産業の2019年度売上高計画は前年度比▲1.6%と小幅に下方修正された一方、経常利益計画は同▲8.7%と小幅に上方修正された。また、今回から2020年度の計画が公表されているが、売上高については同+0.6%と小幅な回復、経常利益については▲1.9%と小幅な悪化が見込まれている。しかしこれはコロナ禍の打撃が小さいということではなかろう。むしろ、不透明性が高い現状に鑑み、十分な計画修正が行われていないということを意味しているとみられる。

◆設備投資計画についても同様の指摘がなされよう。2019年度の全規模全産業の「設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)」は、前年度比+2.7%へと小幅に下方修正されたが、これは例年並みの修正にとどまっている。また、2020年度の設備投資計画は同▲0.4%となったが、こちらも期初の計画としては前回の景気の山に相当する2007年度以来の高さである。コロナ禍の影響を見定めながら、今後逐次的に下方修正されていく公算が大きい。

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