サマリー
◆9月の生産指数は前月比+1.4%と2ヶ月ぶりに上昇した。コンセンサス(同+0.4%)を上回り、先月時点での計画のバイアスを補正した予測指数における試算値のレンジ(同▲0.7~+1.3%)の上限も上回った。9月の輸出数量指数は同▲0.5%と低下していたが、一部品目で大型案件が全体を押し上げた。
◆出荷指数と在庫指数を見ると、出荷指数が前月比+1.3%と2ヶ月ぶりに上昇し、在庫指数は同▲1.6%と3ヶ月連続で低下した。その結果、在庫率指数は同▲2.4%と低下に転じた。単月では低下したものの、在庫率は高水準を維持しており、当面は生産の調整圧力が残存するだろう。
◆製造工業生産予測調査によると、10月は前月比+0.6%、11月は同▲1.2%である。また、計画のバイアスを補正した10月の生産指数(経済産業省による試算値、最頻値)は同▲1.6%と推計されている。10月は消費増税に伴う駆け込み需要の反動減や大型台風に伴う工場の操業停止などによって低下するとみられる。その後も外需の弱さを受け、冴えない動きが当面は続くだろう。
◆11月8日に公表予定の9月景気動向指数の一致CIは前月差+3.3ptと予想する。この数値を前提とすると、基調判断は現在の「悪化」から「下げ止まり」へ上方修正される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
「駆け込み需要」の徹底検証(業種別・品目別)
対策のエアポケットとなった分野で顕著に発生。今後は反動に要警戒。
2019年10月30日
-
徹底検証:消費増税と対策の影響分析
所得効果・代替効果と世代別影響・産業別影響を網羅的に精査
2019年09月18日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日