サマリー
◆【7月の雇用】完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt上昇し2.5%となった。失業者数は前月差+6万人と2ヶ月連続で増加し、就業者数も同+4万人と4ヶ月ぶりに増加した。また、非労働力人口は同▲17万人と4ヶ月ぶりに減少した。つまり、非労化していた人々が労働市場に戻ってきていると考えられ、内容としては悪くないといえよう。
◆【6月の賃金】現金給与総額は前年比+3.3%と11ヶ月連続で増加した。1997年1月以来、21年5ヶ月ぶりの高い伸びとなった。内訳を見ると、所定内給与(同+1.1%)、所定外給与(同+3.5%)、特別給与(同+6.3%)の全ての項目で増加した。全体を押し上げたのは、一般労働者の特別給与の増加(同+6.2%)である。ただし、毎月勤労統計の結果は、年初に行われたサンプル替えによる影響を強く受けていることに注意が必要だ。
◆【先行き】労働需給はタイトな状況が続き、失業率は上下しながらも2%台半ばで推移するとみている。2019年度以降導入見込みの残業規制等を背景に、企業の人手不足感は一層強まるとみている。特に人手不足が深刻な産業では、正社員化や賃金引上げといった処遇の改善や省人化投資が求められる。
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