サマリー
◆2018年5月の家計調査では、実質消費支出が前月比で減少した。自動車や家庭用耐久財など高額・低頻度消費によるぶれが疑われるものの、このようなぶれを抑制することが目的の一つとされている世帯消費動向指数(CTIミクロ)でも前月比減となっている。一方で、家計調査などの需要側統計に商業動態統計など供給側の統計を合成した総消費動向指数(CTIマクロ)においては、実質消費は前月比増となっている。しかしながら、基礎統計の商業動態統計は前月比で物価の影響を考慮しても減少しており、CTIマクロを推計する際のテクニカルな影響の可能性も捨てきれない。以上を踏まえると、5月の個人消費は総じて弱い結果であった。
◆2018年5月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲0.2%と4ヶ月連続で減少した。実質消費支出の動きを費目別に見ると、10大費目中6費目が前月から減少した。「家具・家事用品」(同▲14.1%)、「その他の消費支出」(同▲3.1%)などが押し下げに寄与した一方で、「交通・通信」(同+15.4%)、「光熱・水道」(同+2.0%)などが増加した。
◆2018年5月の商業動態統計を見ると、名目小売販売額は前月比▲1.7%と2ヶ月ぶりに減少した。名目小売販売額は、2018年に入り軟調な推移となっている。業種別に見ると、「その他小売業」(同▲1.7%)、「織物・衣服・身の回り品小売業」(同▲3.4%)などが減少に寄与した。
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