サマリー
◆6月日銀短観では、製造業を中心に企業の業況感の回復ペースの鈍化が鮮明となり、国内景気が「踊り場」局面入りしたという当社の見方をサポートする結果が示された。ただし、概ね事前の想定内の結果であり、かつ業況判断DIが高水準にあることから、現時点で、景気が腰折れするといった過度な懸念は不要だと考えている。
◆大企業製造業の「業況判断DI(最近)」は+21%ptと前回(+24%pt)から悪化し、市場コンセンサス(+22%pt)を小幅に下回った。大企業製造業の悪化は2四半期連続である。他方、大企業非製造業の「業況判断DI(最近)」は+24%ptと前回調査(+23%pt)から小幅に改善し、市場コンセンサス(+23%pt)も上回った。
◆全規模全産業の2018年度の「設備投資計画(含む土地、除くソフトウェア、研究開発)」は、前年度比+7.9%と増加する計画であり、市場コンセンサス(同+3.8%)を大幅に回った。大企業を業種別に見ると、製造業の2018年度設備投資計画が同+17.9%、非製造業が同+11.2%となり、過去の修正パターンに比べて強いと評価できる。
◆全規模の雇用人員判断DI(最近)は、製造業と非製造業のいずれも上昇(需給の緩和)したものの、依然として大幅なマイナス圏での推移となっており、企業の人手不足感は依然として強い。また、非製造業の先行きの低下幅(▲5%pt)は、今回(最近)の上昇幅(+2%pt)を上回っており、労働需給のタイト化が一段と進む見込みだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
石破新政権誕生、経済政策の注目点は?
デフレ脱却後も見据えた供給面重視の経済・財政運営に期待
2024年10月03日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
中国経済見通し:なりふり構わぬテコ入れ策発動
金融緩和、住宅市場テコ入れ策、株価対策、国債増発
2024年10月22日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
石破新政権誕生、経済政策の注目点は?
デフレ脱却後も見据えた供給面重視の経済・財政運営に期待
2024年10月03日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
中国経済見通し:なりふり構わぬテコ入れ策発動
金融緩和、住宅市場テコ入れ策、株価対策、国債増発
2024年10月22日