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2018年3月日銀短観

企業の業況感は晴れから曇りへの変わり目の様相

2018年04月02日

金融調査部 主任研究員 長内 智

小林 俊介

サマリー

◆3月日銀短観は、企業の業況感が悪化した点がやや懸念されるものの、業況判断DIの水準などを総じてみると、引き続き良好な状況を維持していることを再確認させる結果となった。当社は、日本経済は緩やかな成長を続けているとみており、3月日銀短観の結果も概ね当社の見方に沿った内容だと評価できる。また、日本銀行の「緩やかに拡大している」という景気判断をサポートする内容とも言え、今後の金融政策運営の焦点は、こうした堅調な実体経済の下、依然として2%のインフレ目標のゴールが見えない物価動向となろう。

◆大企業製造業の「業況判断DI(最近)」は+24%ptと前回(+26%pt、新サンプルベース、以下同じ)から悪化し、市場コンセンサス(+25%pt)を小幅に下回った。大企業製造業の悪化は8四半期ぶりのことである。大企業非製造業の「業況判断DI(最近)」は+23%ptと前回調査(+25%pt)から悪化し、市場コンセンサス(+24%pt)を小幅に下回った。堅調なインバウンド需要が下支えする一方、住宅投資と公共投資の弱さや、人件費や物流費の上昇などがマイナスに作用した。

◆2017年度の全規模全産業の「設備投資計画(土地投資額を含む、ソフトウェア投資額と研究開発投資額は含まない)」は、前年度比+4.0%となった。例年の設備投資計画の修正パターンに基づくと、次回の6月実績で下方修正される公算があるものの、高水準の企業収益を背景とする更新・改修投資を追い風に、同+3.0%を超える底堅い結果で着地することが視野に入ってきた。

◆全規模の雇用人員判断DI(最近)は、製造業と非製造業のいずれも低下(需給の引き締まり)し、企業の人手不足感が強まった。先行きについては、製造業が小幅に上昇(需給の緩和)する一方で、非製造業が低下(需給の引き締まり)しており、いずれの業種も中小企業を中心に大幅なマイナス圏での推移が続く見込みである。労働需給のタイト化は景気が良いことの裏返しでもあるが、一部業種では人手を確保することが困難な状況に直面しており、こうした労働供給制約の問題が今後の景気回復の重石になる可能性が指摘できる。

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