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2018年3月全国消費者物価

実質賃金と実質年金の低下が個人消費の重石へ

2018年04月20日

金融調査部 主任研究員 長内 智

小林 俊介

サマリー

◆2018年3月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.9%と15ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.9%)通りとなった。季節調整値によって指数の基調的な動きを確認すると、全国コアCPIと全国新コアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)はいずれも緩やかに上昇しているものの、足下で伸び悩みの兆しが出ている。

◆先行きの全国コアCPIの前年比は、前年に下落していた裏の影響が剥落することでいったん鈍化する見込みである。ただし、その後は、エネルギー以外の価格が底堅く推移するなか、これまでの原油価格上昇の影響がラグを伴って顕在化し、再びプラス幅を緩やかに拡大するとみている。2017年末以降の円高進行が物価下押し要因となるものの、今のところは物価上昇圧力の方が強い。

◆家計の直面する物価動向(全国帰属家賃を除く総合)を確認すると、足下で前年比+1%を超えており、家計の懐に響く水準まで上昇している。春闘の途中経過および2018年度の年金額改定を踏まえると、2018年の実質賃金と実質年金は揃って前年比マイナスとなる公算が生じている。今後は、商品の値上げに起因する家計の節約志向の強まりと消費者マインドの悪化に加えて、物価上昇に伴う実質賃金と実質年金の低下が個人消費の重石となるリスクに注意が必要であろう。

◆消費者物価はいったん足踏みした後、日本銀行のインフレ目標に向けて再び緩やかに上昇すると見込まれる。こうしたなか、2018年4月27日に公表予定の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、2019年度頃というインフレ目標の達成時期が維持されよう。また、過去の事例や最近の国内政治の混乱を踏まえると、当面は政治的なメッセージの強いデフレ脱却宣言は行われないとみている。

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