サマリー
◆2017年7-9月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年比+4.8%、経常利益は同+5.5%と増収増益となった。季節調整値で見た経常利益に関しては、6四半期ぶりに減少し、前期に記録した過去最高益を更新できなかった。これは、製造業が過去最高益を更新する一方、サービス業など、非製造業が2四半期ぶりに減益となったことが響いた。
◆2017年7-9月期の全産業(金融業、保険業除く)の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+4.3%と4四半期連続で増加し、前期から伸びが加速した。季節調整値で見ると、前期比+1.0%と2四半期ぶりのプラスとなった。先行きの設備投資は、緩やかながらも増加基調を継続するとみている。好調な企業収益と労働需給の引き締まりを背景として、特に非製造業で人手不足に対応した合理化・省人化投資が期待されよう。ただ、企業の期待成長が高まらないなかでは、設備投資の水準は、キャッシュフローを大きく下回り、減価償却費を一定程度上回るレベルにとどまるとみられる。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、7-9月期GDP二次速報(12月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率+1.6%(一次速報:同+1.4%)と、一次速報から上方修正されると予想する。
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