経済指標の要点(9/20~10/18発表統計分)

RSS

2017年10月18日

  • 山口 茜
  • 経済調査部 研究員 廣野 洋太
  • 小林 俊介
  • 竹山 翠

サマリー

◆2017年8月の企業関連の指標を見ると、鉱工業生産指数は、前月比+2.0%と2ヶ月ぶりに上昇した。一方で、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、同+3.4%と、2ヶ月連続で増加した。このうち、非製造業(船舶・電力を除く)は同+3.1%と3ヶ月連続で増加し、減少傾向にあった受注動向は、緩やかに持ち直しているが、内閣府公表の7-9月期見通しの達成確度は低い(見通し(前期比+13.5%)の達成には、9月に前月比+22.2%以上が必要)。


◆2017年8月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+0.2%と2ヶ月ぶりに増加した。3ヶ月移動平均で均した実質消費支出はほぼ横ばいとなっており、その回復には足踏みが見られる。また、完全失業率(季節調整値)は前月から横ばいの2.8%、有効求人倍率(季節調整値)も前月から横ばいの1.52倍となった。先行きの労働需給は、非製造業・中小企業を中心とする高い労働需要を背景に、タイトな状況が続く見通しである。ただし、ほぼ完全雇用状態に達しているため、就業者数の増加ペースは緩やかなものにとどまるとみている。


◆今後発表される経済指標では、11月15日発表予定の2017年7-9月期GDP(一次速報)に注目したい。7・8月の基礎統計に基づけば、7-9月期の実質GDP成長率(前期比)は、底堅く推移するとみている。4-6月期に成長の牽引役となった内需では、特に個人消費に注目している。GDPで最も大きなウェイトを占める個人消費について、需要側の統計である家計調査の実質消費支出指数(季節調整値)は、7・8月の平均が4-6月の平均の▲0.6%となっている。9月も実質消費支出は横ばい圏で推移するとみており、7-9月期の個人消費は7四半期ぶりにマイナス寄与となる可能性が高い。一方、外需は好調な輸出の増加を主因に2四半期ぶりにプラスに寄与する可能性が高い。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。