9月貿易統計

輸出数量は横ばい圏、円安進行で輸出金額は増勢を強める

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2014年10月22日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2014年9月の貿易統計では、輸出金額は前年比+6.9%と市場コンセンサス(同+6.5%)を上回り、2ヶ月ぶりの増加となった。これは輸出数量が同+2.8%と2ヶ月ぶりの増加に転じたことに加えて、円安が進んだことで輸出価格が同+4.0%と上昇幅を拡大させたため。輸出価格の上昇を主因に、季節調整値でみた輸出金額も前月比+3.1%と増加しており、輸出金額は増加基調を強めている。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比+1.1%と2ヶ月ぶりの上昇となった。輸出数量は依然として横ばい圏での推移が続いている。地域別の動向を見ると、米国向け(同▲1.1%)、EU向け(同▲6.3%)が減少したものの、アジア向け(同+4.2%)が大きく増加したことが全体を押し上げた。


◆輸出数量の先行きに関しては、海外経済が回復するにしたがって徐々に増加基調へ向かうと見ている。ただし、足下では海外経済の減速感が高まる中、回復が後ずれするリスクが高まっている点に留意が必要だろう。貿易収支の先行きについては、内需の拡大に合わせて、輸入数量・金額も増加が続くとみられることに加えて、8月後半以降円安が進行したことから、赤字での推移が続く見込みである。

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