サマリー
◆2014年4月の貿易統計によると、輸出金額が前年比+5.1%と14ヶ月連続の増加となり、市場コンセンサス(同+4.8%)をわずかながら上回った。輸出価格は前年比+3.0%と、上昇幅が前月(同+4.4%)から縮小するなかで、輸出数量が同+2.0%と2ヶ月ぶりに前年を上回った点はポジティブに評価できる。輸出金額を季節調整値で見ても、前月比+0.6%と2ヶ月ぶりの増加となった。
◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比+1.6%と2ヶ月ぶりの上昇となった。米国向け(同+2.4%)、EU向け(同+3.7%)、アジア向け(同+0.1%)がそれぞれ増加しており、4月の輸出は堅調に増加したと評価してよいだろう。
◆先行きに関しては、輸出数量の持ち直し傾向が徐々に鮮明となる見込みである。4月の数値でも確認できたように、3月までの国内出荷優先によるボトルネックは解消され、今後は海外の需要回復に合わせて輸出数量も持ち直していくだろう。
◆4月の輸入金額は、前年比+3.4%と18ヶ月連続で前年を上回ったが、上昇幅は前月(同+18.1%)から大きく縮小した。輸入価格は同+4.7%と上昇が続くものの、輸入数量が前年比▲1.3%と前年を下回ったことが、上昇幅縮小の主因。貿易収支は▲8,089億円と、22ヶ月連続の赤字となった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日