サマリー
◆2013年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.0%(前期比+0.3%)と4四半期連続のプラス成長となったものの、市場コンセンサス(前期比年率+2.8%、前期比+0.7%)を大きく下回った。個人消費が大きく下振れしたことが市場予想を下回った最大の要因である。ただし、民間在庫を除く全ての需要項目が前期から増加しており、全体として決して悪い内容ではない。
◆先行きの日本経済に関して、2014年1-3月期は個人消費の駆け込み需要によって成長率が大きく高まる見込みである。2013年10-12月期においても、住宅投資と耐久財の消費では駆け込み需要がGDPを一定程度押し上げたとみられる。しかし、増税の直前においては、非耐久財や半耐久財でも駆け込み需要が発生するとみられ、駆け込み需要による押し上げが一層拡大する見込みである。駆け込み需要の反動減は不可避であることから、2014年4-6月期には実質GDPは減少に転じる公算が大きい。ただし、今回増加に転じた輸出が、米国を中心とする海外経済の拡大と、円安による競争力の向上によって増勢を強めていくとみられる。また、輸出の増加を起点とした生産の増加や収益の改善は、企業の設備投資を誘発し、賃金の増加にもつながる見通しであることから、家計部門の持ち直しにも寄与する見込みである。結論として、日本経済は2014年7-9月期以降、成長経路に復すると見ている。
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