6月貿易統計

円安効果で輸出金額が増加、数量の改善は足踏み

RSS

2013年07月24日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年6月の貿易統計は、輸出金額が前年比+7.4%となり、市場コンセンサス(同+10.0%)を下回った。しかし、輸出金額は4ヶ月連続で前年を上回り、季節調整値で見ても前月比+1.1%と7ヶ月連続で増加しており、増加傾向となっている。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比▲0.9%と2ヶ月連続の低下となっており、改善傾向が一旦足踏みした格好。米国向け、アジア向けが前月から増加したものの、欧州向けの減少が全体を押し下げた。ただし、全世界向けの輸出数量は3ヶ月移動平均では4ヶ月連続の増加となっており、均してみれば持ち直しの動きが続いている。


◆先行きに関しては、輸出数量が増勢を強めることで、輸出金額の増加が続くと見込んでいる。景気後退が続くEU向け輸出数量は当面低調に推移する見込みだが、緩やかな景気拡大が続く米国向けおよびアジア向けの増加によって、輸出数量は増加傾向となる見通し。中国などの新興国の成長率が鈍化していることには留意が必要だが、昨年末からの円安が引き続き輸出数量増加の支援材料になるとみられる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。