7月CPI~物価は横ばいの推移

国際的な穀物価格高騰による物価への影響は限定的となろう

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2012年08月31日

サマリー

物価は横ばいの推移: 7月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.3%となり、市場コンセンサス通りとなった。季節調整値を見ると、全国コアCPI、全国コアコアCPIは前月比+0.0%となり、物価は横ばいで推移している。

財・サービス別動向:原油価格の下落で、ガソリンが大きく下落し、エネルギーの押し上げ幅が縮小した。他方、耐久財、半耐久財は押し下げ幅が若干縮小している。サービスに関しては、外国パック旅行が前年比で下落し、物価の押し下げ要因に転じている。

今後の見通し:東京都区部の動きから、8月の全国コアCPIは前年比▲0.2%程度になると予想している。物価の基調は依然弱く、全国コアCPIは当面、ゼロ%付近を推移することとなるだろう。米国で続いた高温・乾燥による干ばつの被害は深刻で、穀物の国際価格は高止まりの様相を呈している。世界的に食料価格が高騰した2007-08年時には、国内外の経済が堅調であったことから、輸入小麦の政府売り渡し価格の引き上げにあわせ、小麦粉やその関連商品への価格転嫁が行いやすかったと言える。しかし、今回は国内外の経済の減速を背景として、2007-08年時よりも不確実性が高まっている。その点に鑑みると、今回の国際的な穀物価格高騰による関連製品への価格転嫁は難しいと考えられるため、物価への影響は限定的となろう。

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