サマリー
◆企業関連の指標は、先行きの不透明感を感じさせる内容であった。4月の鉱工業生産指数は前月比▲0.2%と2ヶ月ぶりのマイナスとなった。製造工業生産予測調査では5月分の生産計画が前月比▲3.2%となっており、足踏みが予想される。4月の輸出金額は、前年比+7.9%と2ヶ月連続でのプラスとなった。米国向け輸出は好調であり、底堅く推移すると見込まれるものの、EU向けの輸出が落ち込んでいるなど先行き不透明感が根強い。4月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+5.7%と2ヶ月ぶりのプラスとなった。「自動車・同付属品」ではエコカー補助金の予算切れに先駆けて大きな減少が見られるが、他の業種での需要が強く、設備投資には回復の兆候が見られる。エコカー補助金の予算切れの影響で企業関連指標は一時的に下振れするとみられる。加えて、海外経済の減速はさらに大きなリスクとして現存しており、今後の動向に注視が必要である。
◆家計関連の指標は雇用・所得・消費環境に緩やかに持ち直しの兆しが見られる内容であった。4月の消費は前年比+2.6%と3ヶ月連続のプラスとなった。消費支出(除く住居等)の季節調整値で見ても、前月比+0.2%と2ヶ月ぶりに増加している。4月の失業率は前月から0.1%pt悪化し、有効求人倍率は前月から0.03pt改善した。4月の現金給与総額は前年比+0.2%と、3ヶ月連続のプラスとなった。先行きは、企業業績の改善を通じて雇用・所得・消費環境は緩やかに持ち直していくとみられる。
◆今後発表される統計では、7月2日に公表される日銀短観に注目したい。欧州債務危機問題はいまだに終息の糸口が見えず、先行き不透明感が高まる中で、企業の景況感がどのように変化しているかが注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年2月全国消費者物価
エネルギー価格や食料価格などの伸び率縮小でコアCPIは2%割れ
2026年03月24日
-
2026年1月機械受注
製造業の反動減などにより、船電除く民需は2カ月ぶりに減少
2026年03月19日
-
2026年2月貿易統計
春節の影響で輸出数量は減少、今後は中東リスクが懸念材料に
2026年03月18日
最新のレポート・コラム
-
大和のセキュリティトークンナビ 第5回 社債セキュリティトークンとは?(後半)
社債セキュリティトークンの発行・流通動向、税制
2026年03月27日
-
一定の貸付用不動産を時価評価に
2026年度税制改正大綱解説(4)貸付用不動産の財産評価
2026年03月27日
-
家計金融資産の国際比較
日本の「貯蓄から投資へ」は進みつつあるものの、さらなる進展の余地あり
2026年03月26日
-
米欧中のデジタル通貨戦略とリテール決済の再編
三者三様の政策動機に基づくステーブルコイン、CBDC、デジタル預金の選択
2026年03月26日
-
パッシブ運用隆盛時代のIR・エンゲージメントの在り方
2026年03月27日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

