サマリー
◆2015年5月7日、英国では5年に一度の総選挙が実施された。8日午後に発表された最終結果によると、キャメロン首相率いる保守党が、過半数を上回る331議席を確保し第1党の座を守った。この結果、事前の予想では、ハングパーラメント(“宙吊り国会”)となり連立政権が予想されていたが、保守党は5年間続いた自由民主党との連立を解消し単独で政権を樹立する運びとなった。
◆保守党が単独過半数との一報を受け、英国金融市場では株式(特に銀行株)、債券、通貨ポンドともに上昇した。これは、ハングパーラメントを回避して先行きの政治の不安感が払拭しただけでなく、企業寄りの保守党が単独で政権を握ることで、現在の景気回復基調が持続するとの見通しを受けたものである。
◆一方、2018年度までの財政赤字削減を一層進めることが確実となり、対象外となる医療予算を除き、地方自治体への交付金や防衛費などの大幅な歳出削減も予想される。また、キャメロン首相が次期国会の優先課題として掲げていた英国のEU離脱(Brexit)を問う国民投票の実施が確実となり、EU内でのビジネスを優先する産業界からは、今後の政権運営に対して不安視する声が日増しに強まっている。
◆小選挙区制であるがゆえに殆どの少数政党は大幅な議席獲得は逃したものの、EU離脱を掲げる英国独立党の得票率が大幅に伸びたことは、移民政策に対する不満の高まりの象徴とされる。英国民の間では、反移民の気運が日増しに高まりを見せているだけに国民投票の結果は予断を許さないといえるだろう。
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