欧州経済見通し 長引く停滞局面

2012年末までマイナス成長継続へ

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2012年09月20日

サマリー

◆ユーロ圏経済はリセッションの渦中にある。各種景況感指数は総じて景気停滞を示唆しており、年末までマイナス成長が継続する可能性が高まっている。頼みの綱の輸出は伸び率鈍化にいったん歯止めがかかったが、まだ先行きを楽観できる環境にはない。

◆9月6日のECB金融政策委員会で詳細が決定された新しい国債買取プログラム(OMT)は概ね好意的に受け止められており、スペイン、イタリア等の国債利回りが一段と低下している。ただ、これはあくまで財政再建等の改革を実行するための時間的猶予を確保する手段で、財政再建そのものの手段ではない。景気低迷の下での財政再建という厳しい課題を達成するべく、各国の政治手腕が問われる状況に変わりはない。

◆先進国と新興国のそれぞれの金融緩和、景気対策の効果で、2013年の景気はやや持ち直してくると予想するが、回復力はごく弱いものにとどまろう。ユーロ圏の成長率予想は2012年-0.4%、2013年+0.5%とする。

◆英国経済は7-9月期はいったんプラス成長となると予想する。ただし、オリンピック開催に伴う雇用増は一過性のもので、一方でユーロ圏の景気悪化に伴う外需不振は長期化が予想される。本格的な景気回復への道のりは英国もまだ遠いとみている。英国の成長率予想は2012年-0.5%、2013年+0.6%とする。

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