サマリー
◆世界経済グローバル化の流れを受けて世界の観光市場は、年々、拡大している。1990年、約4億人であった外国人観光客数は、2015年では約12億人と、約3倍になっている。世界観光機関の予測によれば、2030年、外国人観光客数は、約18億人に達するとしている。
◆世界全体の観光収入は、2015年、約1兆2,600億ドルに達した。対GDP比で1.7%の大きさである。国別で見ると、収入が大きい順番で、米国2,050億ドル、中国1,140億ドル、スペイン570億ドル、フランス460億ドルなどとなっており、米国の大きさが際立っている。
◆2015年、アセアンの観光収入は1,080億ドルで、世界全体の8.6%である。観光収入が多い国としては、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアで、観光収入は、それぞれ450億ドル、180億ドル、170億ドル、110億ドル。対GDP比で見ると、それぞれ、11.3%、6.1%、5.7%、1.3%で、インドネシアを除いては、観光収入の経済への寄与は、比較的大きい。
◆アセアン域外からの外国人観光客数を見ると、中国の存在感が増している。2011年、アセアン域外外国人観光客数に占める中国の割合は、約17%であったが、2015年には、約30%にまで拡大している。
◆経済成長に伴う所得向上や時間的なゆとりが観光へのインセンティブを高めるとすれば、今後も高い成長が期待できる東南アジア地域の観光市場は有望である。観光への取り組みが遅れている国は、この点を意識して、政策を策定していくべきであろう。
◆これまで、アセアンは、生産拠点や物流ネットワークといった観点で見ることが多かったが、成長が持続する中で、豊かになってきているのは事実であり、今後、観光地域という視点で見ることも大切となってくるであろう。
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