サマリー
◆中国国家統計局によると、2024年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比5.3%(以下、断りのない限り、変化率は前年同期比)であった。ブルームバーグ社集計による事前予想は平均4.8%であり、予想以上に強い数字だった。しかし、何かが強かったのではなく、GDPデフレーター(名目GDP成長率-実質GDP成長率)が▲1.1%となったことが、やや高めの実質成長率の主因であり、景気堅調の実感は乏しい。デフレ傾向にある中国では、2023年4月~6月以降、4四半期連続で名目成長率<実質成長率という状況が続いている。
◆不動産不況に改善の兆しは見えない。価格下落が続き、将来的な先高観が台頭しない間は、実需筋も住宅の購入を急がないであろうし、投資・投機商品としての住宅も人気離散が続く可能性がある。不動産不況はさらに長期化する懸念があるということだ。
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