サマリー
◆中国で「不動産不況」が一段と深刻化しているが、これは構造的な問題である。ソフトランディングのためには、少なくとも2020年8月の中国版総量規制の導入時に財務の健全性が高いと判断されたものの、その後の銀行の貸し渋りなどでデフォルトを余儀なくされた民営デベロッパーについては、金融面でのサポートをしっかりとするべきであろう。それが不動産購入者に浸透すれば、少なくとも民営デベロッパー=倒産リスクが高い、という連想が断ち切られ、過去2年分の「実需」のリベンジ購入が期待されることになろう。
◆一方のハードランディングの可能性も中長期的には否定できない。現在は利下げ局面(2023年8月21日に、中国人民銀行は1年物LPRを0.1%引き下げ)であり、差し迫った危機ではないが、今後、金利が大きく上昇するような局面では住宅需要は一段と落ち込み、企業や家計の負債圧縮意欲は一段と高まり、投資や消費を抑制するだろう。最悪のケースとして、景気失速下で住宅価格が暴落し、価格低迷が長期化するようなことがあれば、銀行の不良債権は激増し、中国発の金融危機が発生してもおかしくはない。今後の「不動産不況」の行方には細心の注意を払う必要がある。
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