サマリー
◆中国国家統計局によると、2023年4月~6月の実質GDP成長率は前年同期比6.3%(以下、断りのない限り、変化率は前年比、前年同期比)となり、1月~3月の4.5%から加速した。しかし、2022年4月~6月が上海市ロックダウンの影響などで、わずか0.4%であったことを考えると、反動増は小幅にとどまったといわざるを得ない。厳格な「ゼロコロナ」政策から「ウィズコロナ」政策への転換に伴う経済再開(リオープン)は早くも息切れした格好だ。
◆中国経済の本格回復には、民営企業を強力にサポートする必要がある。7月末に中国共産党の中央政治局会議が開催され、下半期の経済政策の重点を決定するとみられる。その場でこうした決意が語られるのか否か、大いに注目されよう。李強首相は民営企業が発展する浙江省での勤務経歴が長く、その重要性を熟知している。しかし、社会主義的な考え方が強い習近平国家主席が、果たして民営企業をことさらに重視する政策を容認するのだろうか。否の場合、中国経済の本格回復は期待薄となろう。2023年の実質成長率は5.4%程度となり、政府目標の5.0%前後は達成できよう。しかし、2022年が3.0%成長にとどまったことを考えると、中国の成長力は明らかに低下している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:利下げは景気テコ入れの号砲か?
日本の半導体製造装置の輸出管理強化とインバウンドの行方
2023年06月21日
-
中国経済見通し:変調?一時的減速?
若年層の高失業率とデフレ懸念。民営企業への積極的なテコ入れが鍵
2023年05月24日
-
中国経済見通し:リベンジ消費>不動産不況
1月~3月は4.5%成長。年間成長率予想を5.6%→5.9%に引き上げ
2023年04月20日
-
中国:李強・新首相下での中国経済の行方
曰く「5.0%前後」の実現は困難。ゆえに経済テコ入れ策を発表へ
2023年03月22日
-
中国:李強新首相はソフト路線?
経済・金融分野は安定・継続を重視
2023年03月14日
-
全人代も習一色、李克強氏の影響力は即排除
2023年の政府成長率目標は超過達成を前提に「5%前後」に設定
2023年03月06日
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:不動産不況脱却に真っ当な政策を発表
「工事中断問題」回避のため「完成後販売」への移行を推進
2026年09月02日
-
中国経済見通し:政治の季節で経済が萎縮?
固定資産投資はマイナス幅が一段と拡大、内需低迷が続く
2026年08月25日
-
中国:消費低迷の深層・非正規雇用の急増
所得格差縮小は非持続的か。社会保障不安とリスキリングの難しさ
2026年08月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

