2024年07月08日
サマリー
◆日本銀行(日銀)は6月13・14日の金融政策決定会合で、国債買入額を縮小していく方針を発表した。現時点での他の主要中央銀行(米国連邦準備制度(Fed)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BoE)、スイス国民銀行(SNB))のバランスシート政策の現状を確認し、日本への示唆について考える。
◆Fedは2019年の経験から、短期金融市場への影響に配慮し、バランスシートの縮小ペースをスローダウンすることを決定した。
◆ECBは、新型コロナウイルス感染症拡大の際に行った貸出のうち、TLTROⅢとPELTROsの大部分が返済されたことで、バランスシート残高は順調に減っている。今後は国債等の減額が注目される。
◆BoEは、他の主要中央銀行に比べ、保有国債の平均残存期間が長い。そのため、残存期間が長めの国債を中心に売却を進めている点が特徴的である。今後は国債買入ではなく、短期レポなどの貸出によって資金供給を行うとし、Fedよりも踏み込んだ保有資産の削減を目指している。
◆SNBは為替介入で得た外貨を国債、株式等で運用している。資産の管理・売却のあり方は、日銀のETF売却にあたって参考になるかもしれない。
◆日銀の7月30・31日の金融政策決定会合で、どのように国債買入額を減らすのか、今後1~2年程度の具体的な減額計画が示される予定である。日本国債の発行残高に占める日銀の保有割合は50%を超えており、新規買入額を急激に減らすことは、国債需給の緩み、利回りの上昇につながり得る。日銀は市場への影響を考慮し、激変を避けると考えられるため、少なくとも当面の間、毎月の購入額は6兆円を大きく下回らないような緩やかな減額方針を示すのではないだろうか。市場機能が十分回復する水準まで残高を減らすことが適当だ。
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