2022年10月20日
サマリー
プライベート・エクイティ(PE)市場の今後の見通しを、「上場企業よりもユニコーンの冬の時代がもっと続くと思っている」と、孫正義代表取締役会長兼社長執行役員は8月に表現した。確かに悲観させる材料は多い。PE市場でのファンドの資金調達活動の停滞、滞留資金(ドライパウダー)の積み上がり、NAV(純資産価値)の下落などが挙げられる。まさにPE市場はゴールデン・エイジから冬の時代に移っている。
一方、ここ10 年間、ユニコーンがイノベーションを創出し、社会・経済構造の変革をもたらしてきた。PE市場はそのようなユニコーンを着実に、かつ多数生んできた。その意味でPE市場の果たしてきた役割は大きい。「ユニコーン冬の時代」を強調して悲観する前に、PE市場の冬の時代の耐性とその将来性を見通すべく、PE市場がこれまで果たしてきた役割と存在意義を客観的に把握し、理解を深めることが重要であろう。PE市場には構造的な課題が多いが米国などでは基盤となるベンチャー・エコシステムを強化し、投資家から信頼を得、また大手資産運用会社を巻き込んで、付加価値の高い新たなプラットフォームを構築する取り組みが行われている。ここにもっと注目すべきだ。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの上場会社と投資家の注目点は?
CGコードのパブリックコメントの結果から読み解く
2026年08月20日
-
中央銀行の透明性比較と熟議・説明責任の均衡点
ウォーシュ・レビューで読み解く中央銀行コミュニケーションの進化と再検討(下)
2026年08月14日
-
“Never explain, never excuse”から透明性へ
ウォーシュ・レビューで読み解く中央銀行コミュニケーションの進化と再検討(上)
2026年08月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

