再生可能エネルギーとは、「化石燃料以外のエネルギー源のうち永続的に利用することができるものを利用したエネルギー」(※1)を指す。具体的には、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマス・海洋(波力や潮力)などによる発電や太陽熱などの、自然由来のエネルギー源である。これらのエネルギーは、CO2排出量がゼロか、極めて少ないという特徴も持つ。
海外との比較では日本の再生可能エネルギー導入は進んでおらず、2010年度においても一般水力(※2)を含んだ再生可能エネルギーの一次供給の割合は3.3%(図表)にすぎない。1970年代の石油危機や、1990年代から議論が高まった地球温暖化問題など、再生可能エネルギーが注目された時期はあったが、発電コストが割高なことなどが導入のネックになったとみられている。
しかし2011年の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故や電力不足などから、電力の由来(何で作られるか)への関心が高まり、改めて注目されるようになった。2010年の「エネルギー基本計画」では、「2020年までに一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合について10%に達することを目指す」という目標(※3)だったが、この大震災を受けて、再検討に入っている。
図表 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合
(注)中国以外は2010年の速報値。中国は2009年度の値。中国の太陽光、風力の項目には地熱も含まれる。
(出所)資源エネルギー庁「エネルギー白書2011」の「【第122-1-6】各国の再生可能エネルギー等の一次エネルギー供給に占める割合」(出典:Energy Balances of OECD Countries, Energy Balances of Non-OECD Countries)をもとに大和総研作成
(※1)資源エネルギー庁『エネルギー白書2011』
(※2)ダムによる環境への影響が大きいことから、一般水力発電(大規模水力発電)は再生可能エネルギーに含まないことが多い。
(※3)経済産業省「新たなエネルギー基本計画の策定について」 平成22年6月18日
(2009年8月5日掲載)
(2013年7月18日更新)
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