2009年11月24日
サマリー
中国政府の公表した統計では、中国内の環境保護投資額は年々増加傾向にあり、2006年から2010年までの5年間では合計で20~25兆円程度が同分野に投じられる見込みである。中国では工業部門の発展に由来する水質汚染と大気汚染が深刻化しており、同国政府の工業汚染防止対策は、この2分野を重点的な対象として実施されている。しかし、工業汚染対策に投じられているのは環境保護投資全体の2割程度であり、投資により一定の改善効果が見られるものの、環境保全・汚染状況の改善のためにはさらに多くの資金需要が生じると思われるが、資金不足による影響が懸念されている。
また、地球温暖化対策と経済発展を両立させる所謂“グリーン・ニューディール”分野への関心が高まっているが、中国でも2006年より再生可能エネルギーの普及や省エネ化を積極的に進めている。この分野では順調に資金が集まり、産業としても成長を続けている一方で、過剰投資を指摘する声も出ている。
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