サマリー
◆AIJ投資顧問株式会社による年金基金への影響が明らかになりつつある。同社と契約を結んでいたのは、中小の総合型基金を中心に84基金、年金運用資産は1852億円であった。その他の投資家を含めると委託総額は2000億円を超え、その大半が年金運用資産といわれる。
◆従来の運用手法に限界を感じつつあった年金基金は、総幹事(信託銀行、生保)の意向とは別に、リスク性の高い商品を独自に選定しつつあった。ただし、年金特定信託を間接的に経由して採用していた経緯もあり、事前にチェックできなかったのかが問題の焦点となる。
◆今後、年金運用関係者や、監督官庁等を、個別に責任追及することはあまり意味がない。むしろ、この問題を教訓に、新しい年金運用のフレームワークを策定できるかが、代替投資に関わる年金運用関係者の本当の責務であろう。
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