揺れる年金基金の代替投資

グローバル金融危機以降のリスク管理強化の明暗

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2012年02月27日

サマリー

◆2月24日、金融庁は、国内独立系の投資顧問会社である、AIJ投資顧問株式会社に対する行政処分を発表した。投資一任契約に基づいて行う顧客資産の運用状況について疑義が生じており、多くの年金基金の運用資産に対する影響が懸念されている。

◆根本的に問題であるのは、グローバル金融危機以降、年金基金の代替投資(オルタナティブ投資)のリスク管理強化が思うように進まなかったことであろう。金融法人(特に銀行、信金等)では、バーゼル規制や金融検査等において運用資産のリスク管理強化が実施されており、地域金融機関を中心にヘッジファンド投資が大幅に減少していた事実がある。

◆一方、年金基金では、特段新しいリスク管理強化を実施しない形で、再度、代替投資を増加させていた背景がある。今後は年金基金においても、銀行等で実施されている個別資産精査(運用資産のルックスルー)の実施など新しいフレームワークの強化が求められる。

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