シンガポールのヘッジファンドの動向

緩やかな規制と香港との競争で、アジアでの運用拠点としての地位を確立

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サマリー

◆シンガポールを拠点とするヘッジファンドは、2005年から5年間で100.1%の増加を示し、同時期の世界のヘッジファンドの増加率38.3%を大きく上回った。新興市場の拡大に伴い、ヘッジファンドの運用拠点としての地位を急速に高めてきている。

◆シンガポールを拠点とするヘッジファンドは、株式市場関連の運用戦略が多いが、アジアの他の運用拠点と比べて、戦略の多様性は高い。また投資先もシンガポール金融派生市場の発達や地理的利便性などから、中東・アフリカやインドや日本などに広がる。

◆大型のヘッジファンドに集中する傾向もあるが、今後のエマージング市場の拡大や、ヘッジファンドに対する緩やかな規制や誘致策により、ヘッジファンドの運用拠点として香港をさらに追い上げていくだろう。シンガポールは香港との切磋琢磨により、アジアにおけるヘッジファンド運用の拡大とともに、発展していくことが予想されよう。

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