サマリー
◆エマージング市場に投資するヘッジファンドのパフォーマンスについて、Hedge Fund Research, Inc.のヘッジファンド指数をもとに分析した。
◆エマージング市場投資のヘッジファンドは、金融危機後にエマージング株式市場との相関が高まっていることが窺えるが、エマージング債券市場との相関はあまり高くはなかった。回帰分析の結果からもエマージング株式市場を示す説明変数が有意に正であることが示される一方、エマージング債券市場を示す説明変数は有意でなく、ヘッジファンドのパフォーマンスにはエマージング株式市場の要因が支配的であった。
◆エマージング市場投資のヘッジファンドは、ロング・バイアスの運用が多いと見られるが、必ずしもエマージング株式市場指数を超過するリターンをあげていない。しかしリスク(標準偏差やドローダウン)はエマージング株式市場指数よりも小さく、リスク考慮後リターンで見たパフォーマンスはエマージング株式市場指数よりも良好なものとなっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
香港のヘッジファンドの動向
著名ファンドが進出する一方で、閉鎖ファンドも多く、新陳代謝が激しい傾向
2011年05月26日
-
シンガポールのヘッジファンドの動向
緩やかな規制と香港との競争で、アジアでの運用拠点としての地位を確立
2011年05月10日
同じカテゴリの最新レポート
-
大和のクリプトナビ No.3 ビットコインのポートフォリオ組入れ効果
GPIFの基本ポートフォリオをもとにした検証
2025年06月25日
-
議決権行使助言業者規制再導入の検討開始
米国議会で議決権行使助言業者規制に関する公聴会が開催された
2025年05月13日
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日