サマリー
◆エマージング市場に投資するヘッジファンドのパフォーマンスについて、Hedge Fund Research, Inc.のヘッジファンド指数をもとに分析した。
◆エマージング市場投資のヘッジファンドは、金融危機後にエマージング株式市場との相関が高まっていることが窺えるが、エマージング債券市場との相関はあまり高くはなかった。回帰分析の結果からもエマージング株式市場を示す説明変数が有意に正であることが示される一方、エマージング債券市場を示す説明変数は有意でなく、ヘッジファンドのパフォーマンスにはエマージング株式市場の要因が支配的であった。
◆エマージング市場投資のヘッジファンドは、ロング・バイアスの運用が多いと見られるが、必ずしもエマージング株式市場指数を超過するリターンをあげていない。しかしリスク(標準偏差やドローダウン)はエマージング株式市場指数よりも小さく、リスク考慮後リターンで見たパフォーマンスはエマージング株式市場指数よりも良好なものとなっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
香港のヘッジファンドの動向
著名ファンドが進出する一方で、閉鎖ファンドも多く、新陳代謝が激しい傾向
2011年05月26日
-
シンガポールのヘッジファンドの動向
緩やかな規制と香港との競争で、アジアでの運用拠点としての地位を確立
2011年05月10日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日