証券税制の行方

本格的な議論はこれから

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2010年10月29日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆2010年10月21日の政府税調の専門家委員会が、上場株式等の10%税率について、2011年末の期限到来と共に廃止し、2012年からは本則の20%税率を適用する旨を決定したと報じられている。

◆専門家委員会は、あくまで専門家の立場から政府税調に助言・報告を行う機関であり、この委員会の決定が直ちに政府税調の結論となるわけではない。委員会の構成メンバーや6月に公表した「議論の中間的な整理」から判断して、このような結論が出されるであろうことは予測の範囲内である。むしろ総合課税にすべきとの結論が出なかったことをよしとすべきであろう。

◆一方、民主党では、財務金融部門会議が、10%税率の維持・引上げは経済状況等を踏まえて判断すべきとの要望を、税制改正PTに提出している。

◆今後は、専門家委員会の意見、民主党の税制改正PTからの要望、各省庁へのヒアリングを踏まえて、政府税調で議論が行われ、12月初旬ごろには結論が出される模様である(大綱公表は12月中旬)。

◆上場株式等の税率引上げが、金融所得課税一体化による損益通算の範囲拡大に先行して行われることは、回避したいところであるが、楽観はできない。



本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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