2016年度決算から見る都道府県の財務状況

全体的に見れば改善傾向もうかがえるが借入水準は高く、一部に財政悪化が進んでいる団体も

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2018年02月21日

サマリー

◆2016年度の都道府県の決算データを合算すると、補助費等の減少によって民間企業の償却前経常利益に相当する「経常収支」が前年度を上回った。地方税収が落ち込んだ5年度前に比べると経常収支は2倍以上に増えている。過去の建設債の償還が進む一方で、赤字地方債である臨時財政対策債の増加によって借入水準は高止まりしている。積立金等は経常月収の約3ヵ月分あるが、総じて財務状況は楽観できる水準にないとうかがえる。


◆都道府県を個別に見ると、東京都とその他の一部の県は財務状況が良好である。こうした一部都県が47都道府県の平均を押し上げている。その他の道府県についてはばらつきが大きく、平均が示す水準に比べ財政悪化が進んでいる団体も散見される。

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