サマリー
◆2016年度の都道府県の決算データを合算すると、補助費等の減少によって民間企業の償却前経常利益に相当する「経常収支」が前年度を上回った。地方税収が落ち込んだ5年度前に比べると経常収支は2倍以上に増えている。過去の建設債の償還が進む一方で、赤字地方債である臨時財政対策債の増加によって借入水準は高止まりしている。積立金等は経常月収の約3ヵ月分あるが、総じて財務状況は楽観できる水準にないとうかがえる。
◆都道府県を個別に見ると、東京都とその他の一部の県は財務状況が良好である。こうした一部都県が47都道府県の平均を押し上げている。その他の道府県についてはばらつきが大きく、平均が示す水準に比べ財政悪化が進んでいる団体も散見される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
都道府県の基金は増えたのか
東京都、被災3県以外の増加幅は小さく、それも業績好調を反映した増加では必ずしもない
2018年03月02日
-
自治体の「損益計算書」で稼ぐ力をみる
経営の発想に基づく分析手法なくして実効性ある地方創生戦略なし
2015年12月01日
-
2016年度決算から見る政令指定都市の財務状況
積立金等の額は大きいが個別団体で見ればなお積み増す余地も
2018年02月01日
-
2016年度決算から見る市町村の財務状況
財政状態良好かつ余力十分だが増加基調にある扶助費の動向に注意
2017年12月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
持続可能な社会インフラに向けて 水道広域化のスケールメリットの検証と課題
足下のコスト削減よりむしろ技術基盤の強化
2025年04月22日
-
水道管路の性能劣化の現状とその対策
都市部の経年化よりむしろ低密度・人口減地域の投資財源不足が課題
2025年03月14日
-
地方創生10年 職種構成に着眼した東京一極集中の要因と対策
どうして若者は東京を目指すのか
2024年12月26日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日