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内閣府中長期試算にみる財政健全化目標の達成可能性

経済再生ケースに近づかない現実の経済

2016年01月28日

政策調査部 経済システム調査グループリーダー シニアエコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆2016年1月21日に改定された内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)によれば、2020年度の基礎的財政収支はGDP比▲1.1%と見込まれ、前回試算(2015年7月)からわずかに悪化した。2015年度の赤字半減目標は達成できると引き続き見込まれているが、その確度は低下しているようにみえる。


◆改定された中長期試算のポイントを3つ指摘すると、第一に、軽減税率制度の導入による税収減が財政健全化にとって新たな懸念要因となった。中長期試算では税収GDP比が、2018年度以降0.1~0.2%ptほど下方修正されている。


◆第二に、経済・財政再生計画を規定した「経済財政運営と改革の基本方針2015」に含まれる歳出改革等の内容が前回試算と同様、歳出見通しに反映されていない。今後、経済・財政一体改革を着実に推進できれば、歳出の伸びは中長期試算で示されている以上に抑制される可能性はある。


◆第三に、現実の経済は中長期試算が想定する経済再生ケースに未だ近づいていない。各種の成長戦略と潜在成長率を結びつけた進捗管理を行うなど、経済再生ケースと現実の経済動向の距離を縮めるための更なる取組みや工夫が求められる。

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