サマリー
◆2016年7月26日に改定された内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)によれば、2020年度の基礎的財政収支は経済再生ケースでGDP比▲1.0%と見込まれる。
◆世界経済見通しが下方修正され、消費税増税が再延期されたものの、基礎的財政収支の見通しは前回試算(2016年1月)から改善した。その主な理由は、①2017年度の歳出の想定が抑制的に見直されたこと、②政策効果等により内需見通しが上方修正されたこと、の2つである。
◆歳入は景気拡大等により経済成長率を上回るペースで増加してきたが、反対に言えば、景気がひとたび悪化すると逆のことが起こる。企業収益は外部環境の悪化から頭打ちとなっており、これまで以上に歳出改革に注力する必要がある。
◆経済再生ケースが示す以上に財政収支を改善させていくには、経済・財政再生計画の歳出・歳入改革を着実に進めるとともに、潜在成長率の上昇を通じて税収を構造的に増加させる取組みが欠かせない。各種施策のPDCAサイクルを実効的に回し、マクロの生産性向上につなげていけるかが課題である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
内閣府中長期試算にみる財政健全化目標の達成可能性
経済再生ケースに近づかない現実の経済
2016年01月28日
-
成長戦略の成果はなぜ見えないのか
構造的改善を狙った施策の進捗管理とKPIの体系的評価が必要
2016年03月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
財政安定化の条件:ドーマー条件成立だけでなく、PB黒字化が重要
財政シリーズレポート4
2026年03月13日
-
国・地方のPBは2026年度に均衡する?
補正予算編成でPB赤字の公算大
2026年01月14日
-
財政政策と金融政策の境界線 -金融政策の進化と副作用としての中央銀行の独立性の危機
財政シリーズレポート3
2025年12月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

