「平時がいつまでも続くことはない」を教訓に、危機に強い制度整備を
『大和総研調査季報』 2020年夏季号(Vol.39)掲載
2020年07月21日
サマリー
新型コロナウイルス感染症により、平時であれば当たり前にできた活動が、突然、大きな障害、困難に直面することで、社会、経済、企業等の活動に重大な影響が生じた。
株主総会、決算・監査、情報開示、ガバナンスやスチュワードシップのための対話が滞ったことは、上場会社と機関投資家の活動を大きく妨げた。ファンドの流動性懸念は、金融規制上注目されつつある。危機に瀕した地域経済は、地域金融機関の役割と課題を浮き彫りにした。突然の失業・休業は、いざという時の備えへの個人の関心を高めた。パンデミック下における個人情報保護と感染防止の両立は、個人と企業の双方にとって、重い問いかけとなった。
これらの問題に対して、困難や障害を緩和すべく、既に様々な施策が講じられている。ただ、長期的な視点に立てば、対症療法にとどまらない、問題の根本を見据えた、危機に強い、持続可能な制度整備が求められよう。そのためには、「平時がいつまでも続くことはない」という教訓を活かして、制度設計を行うことが欠かせない。
大和総研 リサーチ本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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