「平時がいつまでも続くことはない」を教訓に、危機に強い制度整備を

『大和総研調査季報』 2020年夏季号(Vol.39)掲載

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サマリー

新型コロナウイルス感染症により、平時であれば当たり前にできた活動が、突然、大きな障害、困難に直面することで、社会、経済、企業等の活動に重大な影響が生じた。

株主総会、決算・監査、情報開示、ガバナンスやスチュワードシップのための対話が滞ったことは、上場会社と機関投資家の活動を大きく妨げた。ファンドの流動性懸念は、金融規制上注目されつつある。危機に瀕した地域経済は、地域金融機関の役割と課題を浮き彫りにした。突然の失業・休業は、いざという時の備えへの個人の関心を高めた。パンデミック下における個人情報保護と感染防止の両立は、個人と企業の双方にとって、重い問いかけとなった。

これらの問題に対して、困難や障害を緩和すべく、既に様々な施策が講じられている。ただ、長期的な視点に立てば、対症療法にとどまらない、問題の根本を見据えた、危機に強い、持続可能な制度整備が求められよう。そのためには、「平時がいつまでも続くことはない」という教訓を活かして、制度設計を行うことが欠かせない。

大和総研調査季報 2024年新春号Vol.53

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