雇用環境の改善ペースは鈍化が続く

2014年1月の米雇用統計:特殊要因によってかく乱される

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2014年02月10日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2014年1月の非農業雇用者数は前月差11.3万人増であった。前月差の6ヵ月平均は17.8万人であり、増加ペースの鈍化が示された。


◆業種別に見ると、前月に悪天候などにより減少した建設業など生産部門は増加に転じた。一方、年末商戦が堅調であった小売業では減少に転じたため、雇用者数の増加ペースが低調となった。


◆労働参加率が上昇したが、就業者が大幅に増加したことから失業率は6.6%と前月から0.1%ポイント低下した。フルタイム就業者の増加、経済的理由のパートタイム就業者の減少や賃金の上昇など雇用環境の改善が続いていると判断できよう。


◆特殊要因によってかく乱されたここ2ヵ月の雇用統計から雇用環境の基調を判断することは難しい。3月のFOMC前に2月分の雇用統計が発表されるため、重要度が増すことになるだろう。

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