アメリカGDP:民需が経済回復の主役

2013年7-9月期の実質GDP成長率は2.8%増

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2013年11月08日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2013年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率2.8%増となり、2011年4-6月期から続くプラス成長を維持した。民需の増加率はわずかに低下したものの、引き続き米国経済を押し上げる構図に変わりはない。


◆個人消費は、雇用者数の増加ペース、株価の上昇率の鈍化、それに伴う期中における消費者マインドの低下局面により増加幅が縮小した。企業が慎重な姿勢となっていることから設備投資の増加幅も縮小しており、雇用の拡大の手控えにも及んだとみられる。住宅投資は住宅ローン金利や住宅価格の先高感によって増加が続いた。


◆政府支出は、州・地方政府の支出増加により増加に転じた。しかし、連邦政府は歳出の強制削減などにより引き続き減少した。貿易では、輸出入ともに増加幅が縮小したものの、個人消費鈍化による輸入の縮小幅の方が大きく、純輸出は実質GDP成長率を押し上げた。


◆GDPデフレーターとPCE価格指数は引き続きFRBの長期目標を下回った。米国経済は緩やかな改善が続いたが、力強さを欠いているため物価上昇圧力が限定的だった。

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