サマリー
◆2015年2月3日、大和総研では「日本経済中期予測(2015年2月)—デフレ脱却と財政再建、時間との戦い—」を発表した。本稿はその要約である。
◆【日本経済の見通し】今後10年間(2015~2024年度)の成長率を、年率平均で名目+1.2%、実質+1.0%と予測する。海外経済の緩やかな拡大を受けた輸出の伸びが、予測期間全般において持続的な成長を支えるだろう。特に予測期間の前半において原油価格の低下や円安・低金利などの好環境に支えられ、経済活動全般が底上げされる見込みである。
◆【財政の見通し】名目GDP比の基礎的収支赤字を2015年度までに2010年度に比べて半減する目標は射程圏内に入っているものの、2020年度までに黒字化する目標は現行制度の下では達成できないだろう。公的債務残高は名目GDP比で一貫して上昇し続ける見通しである。財政再建とデフレ脱却は両立不可能な対立概念ではなく、同時並行で達成しなければならない最重要課題である。増税と歳出削減で基礎的収支赤字の水準を改善しつつ、歳出の構造的な増加を防ぐ努力を進めることが必要不可欠である。
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