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日本経済見通し:「欧州ソブリン危機」が日本経済に与える影響を検証する

最悪のケースでは、わが国の実質GDP を4%以上押し下げるリスク

2011年11月18日

調査本部 常務取締役 調査本部副本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

2012年度の経済見通しを大幅に下方修正:2011年7-9月期GDP一次速報を受け、2011-12年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2011年度が前年度比+0.5%(前回予想:同+0.1%)、2012年度が同+1.8%(同:同+2.6%)である。2011年度については、過去の実質GDP成長率が遡及改訂(上方修正)されたことなどを受け、経済見通しを上方修正したものの、2012年度に関しては、海外経済の減速などを勘案し、見通しを下方修正した。今後の日本経済は、メインシナリオとして、東日本大震災発生に伴う「復興需要」に支えられて緩やかな景気拡大が続く見通しである。ただし、日本経済のリスク要因としては、(1)原発停止に伴う生産の低迷、(2)世界的な金融市場の混乱を受けた海外経済の下振れ、(3)円高の進行、などに留意が必要である→詳細は、熊谷亮丸他「第171回日本経済予測(2011年11月17日付)」参照)。

「欧州ソブリン危機」が日本経済に与える影響を検証する:今回のレポートでは、「欧州ソブリン危機」が日本経済に与える影響について定量的に検証した。具体的には、欧州諸国の国債のヘアカット率に関する3つのシナリオを設定した上で、日本経済に与える影響を算定した。当社のシミュレーションによれば、最悪のケースでは、わが国の実質GDPは4%以上押し下げられる可能性がある。試算結果については、相当程度の幅を持って見る必要があることは言うまでもないが、今後の「欧州ソブリン危機」の展開次第では、日本経済が「リーマン・ショック」並の打撃を受けるリスクが生じよう。さらに、「欧州ソブリン危機」が深刻化すると、グローバルなマネーフローが「逆流」し、アジアを中心とする「新興国」の株価が暴落する可能性もある。こうした事態を回避する為に、欧州諸国には、「ポピュリズム」の風潮に流されることなく、財政規律を着実に回復させることが強く望まれる。

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