サマリー
◆「欧州ソブリン危機」が日本経済に与える影響を検証する:今回のレポートでは、「欧州ソブリン危機」が日本経済に与える影響について定量的に検証した。具体的には、欧州諸国の国債のヘアカット率に関する3つのシナリオを設定した上で、日本経済に与える影響を算定した。当社のシミュレーションによれば、最悪のケースでは、わが国の実質GDPは4%以上押し下げられる可能性がある。試算結果については、相当程度の幅を持って見る必要があることは言うまでもないが、今後の「欧州ソブリン危機」の展開次第では、日本経済が「リーマン・ショック」並の打撃を受けるリスクが生じよう。さらに、「欧州ソブリン危機」が深刻化すると、グローバルなマネーフローが「逆流」し、アジアを中心とする「新興国」の株価が暴落する可能性もある。こうした事態を回避する為に、欧州諸国には、「ポピュリズム」の風潮に流されることなく、財政規律を着実に回復させることが強く望まれる。
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