サマリー
◆機械受注残高は直近で過去最大となったが、実質額などで見ても2023年後半から増加傾向にある。そこで、2023年1月以降の受注残高の増加額の寄与度を機種別・需要者別に試算すると、上位10項目だけで約6割を占める。特定の項目に受注が偏ることで、そうした受注に対応する機械メーカーでは、人手不足などを背景とした生産能力の限界に直面しやすくなり、受注残高が増加したと考えられる。
◆機種別の受注残高を受注から販売までのラグの長さによって短期・中期・長期の3つのグループに分類すると、短期の割合が緩やかに低下する一方、中期や長期の割合は徐々に上昇し、ラグの平均も上昇している。受注から販売までのラグが長い機種が全体に占める割合が上昇し、受注残高が押し上げられてきた面もあるのだろう。
◆機械受注残高の増加が続く状況下では、受注残の消化が進んでいくことで、長期間にわたり設備投資を下支えしていくことが期待できる。その一方で、機械メーカーが手元の受注残の処理に追われ、新規の受注に対応できなくなっていく可能性がある。また、受注残高が積み上がった結果、機械投資に対する機械受注額の先行性が低下している。受注額だけではなく、販売額や受注残高などの動向にも目を向けることが望ましいだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月機械受注
製造業・非製造業(船電除く)のいずれも2カ月ぶりに増加
2026年10月15日
-
経済指標の要点(9/16~10/14発表統計)
2026年10月14日
-
AI脅威論にどう向き合うべきか
安全確保と開発競争の両立に向けた企業間協調の可能性と限界
2026年10月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

