サマリー
◆2024年12月13日に公表予定の12月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+11%pt(前回調査からの変化幅:▲2%pt)、同非製造業では+34%pt(同:0%pt)を予想する。
◆大企業製造業では、中国経済の減速の影響が色濃く表れると予想する。輸出比率が高い機械産業やそのサプライヤーを中心に景況感が悪化する見込みだ。ただし、「自動車」などでは8月下旬の台風による工場稼働停止の悪影響が剥落するとみている。その他の幅広い業種では、原材料費や人件費の高騰が企業収益を圧迫しており、受注の低迷を背景に価格転嫁を進めにくいこともあって景況感が改善しにくいだろう。
◆大企業非製造業では、インバウンド消費の回復と人件費などのコスト増の影響が混在するとみている。インバウンド消費や催事の機会が増加する中で、「対個人サービス」や「宿泊・飲食サービス」、「運輸・郵便」などの景況感が改善するだろう。また「建設」では人手不足が深刻だが、価格転嫁による単価の上昇で企業マインドが改善するとみられる。他方、物流費の高騰により「卸売」などは悪化する見込みだ。
◆2024年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は、前年度比+8.5%と予想する。先送りされてきた更新投資や能力増強投資、省力化投資などに加え、DX・GX関連投資の発現を見込んで製造業を中心に高めの設備投資計画が示されるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
-
経済指標の要点(8/19~9/12発表統計分)
2025年09月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日