サマリー
◆2024年10月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.3%と前月から前年比伸び率が低下した。他方、全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同+2.3%と前月から上昇した。コメ価格の急上昇や公共サービスでの伸び率の高まりといった特殊要因による動きが大きい。
◆2024年10月のコアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)とサービスは前月から伸び率が上昇した。他方、耐久消費財と半耐久消費財、エネルギーは前月から伸び率が低下した。
◆先行きの新コアコアCPIは、2024年度、25年度ともに前年比+2.0%程度の見込みだ。物価上昇の主因は中間投入コストの増加から人件費の増加へとすでに転換している。人手不足の深刻化という構造的な課題が背景にあることから、企業による賃上げの動きは続く見込みだ。それに伴う人件費の増加を販売価格に転嫁する動きも継続するだろう。2025年度には賃金と物価の循環的な上昇が定着することで、新コアコアCPIは前年比+2%程度で安定的に推移するとみている。
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