サマリー
◆足元のデフレリスクを定量的に評価するため「デフレリスク指数」を作成すると、直近の日本の水準は過去との比較や主要国との比較でも低位にあり、日本経済は再びデフレに戻るリスクは低いとみられる。さらに広範なデータをヒートマップで可視化すると、「物価」「労働市場」関連指標は足元で過熱感を示す一方、「賃金」関連指標の改善が遅れている。
◆デフレ脱却には賃金が名目・実質ともに上昇する必要がある。この点、2024年春闘では前年並みかそれを上回る賃上げ率となり、実質賃金は2024年7-9月期に前年比でプラスに転換する見込みだ。日本銀行(日銀)は同年4月にイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃とマイナス金利解除に踏み切り、政府は早ければ同年度後半にもデフレ脱却を宣言する可能性がある。
◆長期金利と短期金利がそれぞれ1%pt上昇すると、純利息収入への影響は家計が+1.0兆円、企業が▲3.0兆円、政府が▲1.3兆円、日銀が▲4.7兆円、金融機関等が+8.0兆円と試算される。家計では純利息収入の増加が無職世帯や高齢世帯に偏っており、30~40代の世帯では金利上昇による悪影響がとりわけ大きい。この試算は各経済主体の行動が変化しない静学的な分析であり、動学的な波及経路を考慮したマクロモデルを用いてシミュレーションを行うと、実質GDPを3年目で1.1%程度押し下げる。
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