サマリー
◆2023年3月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+1%pt(前回差▲6%pt)、大企業非製造業では+20%pt(同+1%pt)となった。大企業製造業については、素材業種を中心に投入コストの増加が収益を圧迫したとみられる。大企業非製造業に関しては、新型コロナウイルスの新規感染者数の減少による個人消費の持ち直しや水際対策の大幅緩和によるインバウンド消費の回復などが「小売」等の業種の業況を改善させた。
◆交易条件(販売価格判断DIと仕入価格判断DIの差)を見ると、製造業・非製造業とも改善している。非製造業を中心に、これまでの急速なコスト増を販売価格へ転嫁する動きが足元で進んでいるようだ。先行き判断DIについても製造業・非製造業とも交易条件の改善が続く見込みであり、仕入価格判断DIが低下に転じた後も価格転嫁の動きは続くとみられる。
◆2023年度の全規模全産業の設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+3.9%であった。内訳を見ると、製造業が同+6.3%、非製造業が同+2.4%である。経済活動の正常化が進展することへの期待感などから、設備投資意欲が高まっているとみている。
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