サマリー
◆2022年7月1日に公表予定の6月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+11%pt(前回調査からの変化幅:▲3%pt)、同非製造業では+12%pt(同:+3%pt)を予想する。これまで海外経済の回復にけん引される形で、大企業では製造業の業況が非製造業に先んじて改善してきた。しかし6月調査では、国内の経済活動の再開が大企業非製造業の業況判断DI(最近)を押し上げる一方、大企業製造業は外部環境の悪化の影響でDIが低下するとみている。
◆大企業製造業では、「自動車」の業況判断DI(最近)が低下すると予想する。半導体不足や上海でのロックダウン(都市封鎖)による部品調達難など複合的な要因によって生産の抑制が断続的に続くなか、原材料価格の高騰も相まって収益環境が悪化している。大企業非製造業に関しては、国内の経済活動の再開が「対個人サービス」、「宿泊・飲食サービス」、「小売」の業況判断DI(最近)を改善させると予想する。
◆2022年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は、前年度比+5.8%を予想する。前回調査においては同+0.8%と3月調査としては高めの結果が示されており、上方修正される傾向の強い6月調査においても高い伸びが確認されよう。2021年度に予定されていた設備投資の先送り分という側面もあろうが、国内外で新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、経済活動の正常化が進展することへの期待感が企業の設備投資行動を活性化させるとみている。
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