2021年8月機械受注

民需は製造業の大幅減を受けて2カ月ぶりの減少

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2021年10月13日

  • 吉田 智聡

サマリー

◆2021年8月の機械受注(船電除く民需)は前月比▲2.4%と、市場予想に反して2カ月ぶりに減少した。内閣府は機械受注の基調判断を前月の「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に引き下げた。

◆製造業からの受注額は前月比▲13.4%と5カ月ぶりに減少し、民需(船電除く)全体を押し下げた。業種別では電気機械やはん用・生産用機械、造船業などからの受注額が減少した。他方、非製造業(船電除く)からの受注額は同+7.1%と2カ月ぶりに増加し、卸売業・小売業や運輸業・郵便業、通信業などが押し上げた。外需は同▲14.7%と2カ月ぶりに減少した。

◆先行きの民需(船電除く)は当面は足踏みした後、緩やかな回復基調へと転じよう。製造業では米国や欧州向けの輸出の増加が支えとなり、とりわけ不足状態が続いている半導体関連の設備投資が押し上げるとみている。非製造業も経済正常化の流れを受け、運輸業・郵便業などが航空機や鉄道車両など先送りしていた投資を再開することで、徐々に持ち直すとみている。

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