2021年7月機械受注

民需は2カ月ぶりに増加に転じるも業種間で明暗が分かれる

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2021年09月15日

  • 吉田 智聡

サマリー

◆2021年7月の機械受注(船電除く民需)は前月比+0.9%と2カ月ぶりに増加したものの、市場予想には届かなかった。好調な製造業と回復が鈍い非製造業という業種間格差が明確に見られる結果であった。

◆製造業からの受注額は前月比+6.7%と4カ月連続で増加し、好調な回復が続いている。業種別では電気機械、造船業、自動車・同付属品などからの受注額が増加した。他方、非製造業(船電除く)からの受注額は同▲9.5%と3カ月ぶりに減少した。建設業や運輸業・郵便業、前月に大型案件があった卸売業・小売業などが減少した。外需は同+24.1%と2カ月ぶりに増加し、力強い増加基調が続いている。

◆先行きの民需(船電除く)は回復基調が続くだろう。製造業では米国や欧州向けの輸出増加が支えとなるとみている。非製造業も経済正常化の流れを受け、運輸業・郵便業などが航空機や鉄道車両など先送りしていた投資を再開することで、回復が加速すると考えられる。ただし、新型コロナウイルスの感染状況によって下振れするリスクがあることには引き続き注意が必要である。

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