サマリー
◆菅首相は1都3県への緊急事態宣言について1月7日に決定する方針を表明した。2020年春に発出された全都道府県への緊急事態宣言は、実質GDPを1カ月当たり3.1兆円程度減少させたとみられる。今回は対象地域が絞られており、飲食店を中心に営業活動が抑制されることから、実質GDPの減少額はGo To キャンペーンの一時停止の影響を含めて最大1.4兆円程度、現実的には0.9兆円程度と見込まれる。
◆宣言の再発出により、2021年1-3月期に実質GDPがマイナス成長になる可能性は高い。今後懸念されるのは、景気が宣言の発出後にどこまで悪化するかである。仮に感染拡大を抑え込むことができず、対象地域の拡大や実施期間の長期化、経済活動の抑制の厳格化が実施されれば、景気が腰折れするリスクは急速に高まる。雇用調整リスクが同時に高まる点にも注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
グローバルサプライチェーンを俯瞰する
~75カ国・地域の役割から見る日本の姿~『大和総研調査季報』2025年春季号(Vol.58)掲載
2025年04月24日
-
2025年3月全国消費者物価
食料品価格の上昇などを要因に物価上昇率は前月から拡大
2025年04月18日
-
2025年3月貿易統計
自動車関税等を見越した顕著な駆け込み輸出は見られず輸出数量は減少
2025年04月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日