サマリー
◆10月の全国コアCPI(除く生鮮食品)変化率は前年比▲0.7%と、消費増税などの政策要因(同+0.3%pt程度)の剥落により急低下した。物価の基調を示す新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)上昇率は同▲0.2%であった。
◆コアCPIの内訳を見ると、5月を底に縮小してきたエネルギーのマイナス寄与度が再び下押し要因となった。「ガソリン」などの価格が低下したほか、「電気代」も春頃の原油安の影響が遅れて反映されたことで低下に寄与した。また、10月1日よりGo Toトラベル事業の適用範囲に東京都が加わったことで「宿泊料」が前年比▲37.1%となり、前月(同▲30.0%)からマイナス幅が拡大した。同事業の影響を除いた上昇率(総務省試算)はコアCPIが同▲0.2%、新コアコアCPIが同+0.2%となった。
◆先行きの全国コアCPIの前年比変化率は21年初までマイナス幅の拡大が続こう。20年4-6月期のGDPギャップ(内閣府推計)は▲10.2%と大幅な需要不足を示しており、これに2四半期ほど遅行して変動するコアCPIの前年比は21年初にかけて最大▲1.5%程度まで落ち込む可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
2025年9月貿易統計
トランプ関税の悪影響続くも、円安効果で輸出金額は5カ月ぶり増加
2025年10月22日
-
2025年8月機械受注
非製造業(船電除く)を中心に弱含み、政府は基調判断を下方修正
2025年10月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

