サマリー
◆ボートシェアとはモーターボート等のプレジャーボートを所有する者が使用していない時間に、インターネット上のプラットフォームを通じて他人に貸し出す仕組みである。マリンレジャーが盛んな欧米ではすでに広まりをみせているが、日本でもようやく幕を開けたところであり、ボートシェア普及の可能性が見えてきている。
◆ただし、日本ならではの課題や注意点がある。ボートのみの貸借をどう広げるかが課題となる上、海でオーナー自身が操縦して釣りガイドをする形で乗客を募る際は、「遊漁船業の適正化に関する法律」に注意する必要があろう。
◆ボートシェアの本質的な価値は、使っていない時間のボートの有効活用であり、シェアによる低価格での利用にある。ボートシェアを通じて多くの者が海に親しみを持つようになれば、海洋プラスチック問題や海洋資源の維持といった海洋が抱える諸課題に対してより関心が向くであろうし、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」といった意識も高まろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
シェアリングエコノミー活用事例集に見る「防災」シェア
~地域コミュニティを代替し、広域で「共助」の体制を構築~
2020年05月26日
-
新型コロナウイルス感染拡大はシェアリングエコノミーに逆風か
~オンラインによるシェアで接触回避も~
2020年04月15日
-
MaaS:移動のシェアで社会的課題を解決(後編)
~日本版MaaSが本格実施へ向かうも、安定した事業運営は可能か~
2020年02月18日
-
MaaS:移動のシェアで社会的課題を解決(前編)
~移動の利便性向上だけでなく、関連事業やまちづくりにも波及~
2020年02月10日
-
サーキュラーエコノミーとシェアリングエコノミー
~廃棄ゼロの経済活動ループにより変化するビジネス~
2019年11月26日
-
「食品ロス削減」で知っておくべきこと(前編)
~食品ロス削減推進法と食品ロス削減に向けた取り組み~
2019年09月17日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
-
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
日本経済見通し:2025年1月
2025~34年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2025年01月24日
2025年、インドの消費回復の行方は?
都市部中間層の消費回復がカギ。2/1発表予定の予算に期待
2025年01月23日
グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定
2025年以降の株主総会に適用する助言方針改定はほぼ既報の通り
2025年02月04日